Help me!!/モーニング娘。(2013)
「Help me!!」
2013年1月23日シングル発売。今日で5年となります。
背景に全国の様々な都市の写真が合成されているMV。
ループ化前の札幌市電すすきの電停(現在は改築され、もうありません)
そこから東向きに見た国道36号線(ただし、遠くにある風景は札幌ではない)
名古屋テレビ塔が鞘師、さっぽろテレビ塔が石田、博多ポートタワーが佐藤……。
こんな素晴らしい映像を、ついぞ最近まで見たことがありませんでした。
当時の時代背景を色々と思い出してみます。
2013年は、様々なアイドルが、「全国戦略」に出た年ではないでしょうか。
AKB48の5大ドームツアーと「恋するフォーチュンクッキー」がこの年です。
NHKの朝の連ドラは「あまちゃん」でした。このドラマがローカルアイドルを題材としていたため、しばしば、私をアイドルヲタクと知る人からは「あまちゃん見てる?」とか言われた想い出があります。
そんな質問を受けたときは、こう答えておりました。
「わざわざドラマを見なくても、実在のアイドルグループがドラマを提供してくれていますから……。」と。
このときはまだ、アイドルグループの物語性やドキュメンタリー的演出に対して、僕が懐疑的になってなかった、今から見れば幸せな状態でありました。(佐村河内事件のニュースを見る以前と以後で感覚が違っている。)
僕にとっては、でんぱ組.incの年でした。渋谷で行なわれたファンクラブ「でんぱとう」の第一回イベントを観に行ったことは、今でも私のアイドル史における自慢ごとの一つです。台風18号で開催が危ぶまれた日比谷野音のライブも忘れません。
そして同じ時期に、AKB48の札幌ドーム公演で「SPR48」の結成はないとはっきり宣言があり、
あーあ俺たちは棄民になってしまったんだ……と残念な気持ちで会場を後にしたこともよく覚えています。
自分の地元というものは、天然の鎖国であり、
アイドルから戦力外通告を宣告された土地なのだという意識。
そういう前提が、自分らにはずっとずっとありました。
大きなグループは拠点をおかず、小さなグループには「全国ツアー」から外されることは常でした。
2015年あたりから、かつて「アイドル戦国時代」と呼ばれた熱量が冷めゆく中で、特定のグループに限らず、次のツアーに札幌がないとか、リリースイベントで他の地域は回るけど札幌はない、そんなことはもう今さら当然の範疇で、驚かなくなっていました。
しかし、ハロー!プロジェクトは違った。
2013年、13年ぶりのハロコンと6年ぶりの娘。単独コンが札幌で開催されていたんですね。2015年にはカントリー・ガールズのメジャーデビューが札幌で発表され、2016年には「ハロプロ研修生北海道」が始動。
そして現在。
モーニング娘。'17のシングル売り上げが北海道では前作から159%増加し、
ツアーの札幌公演が1日2公演から、次回は2日4公演に増えることが決定。
明らかに何かが起こっているのです……。
10月のライブのグッズ販売列で、全国渡り歩いてるヲタクがこんな会話をしてたのが聞こえました。
「どうしたんですかこの人だかりは!
鞘師やさゆが居た頃だって、こんなに人はいなかったですよ!」
でもそれは、決して突発的なものではなくて、
鞘師やさゆが居た頃、2013年から戦略を持って頑張ったからですよね……。
アイドルは一日にして成らず。
5年を経て、「ピンチから掴みとる栄光」という言葉が、
僕には最高に輝いて見えます。